【元在住者が本音で語る】エジプトの食文化ガイド。コシャリの次に食べるべき20選

【元在住者が本音で語る】エジプトの食文化ガイド。コシャリの次に食べるべき20選

エジプト料理と聞いて、あなたが思い浮かべるのは「コシャリ」だけかもしれません。

 

でも、2年半暮らしたわたしが知るエジプトの食卓は、もっと奇妙で、もっと深く、そして時には驚くほど美味しい、冒険の世界でした。

 

正直に言って、エジプトは美食の国ではありません。

 

お皿が汚れていたり、盛り付けが雑だったり、味付けが毎回違ったり…。

 

でも、だからこそ面白い。

 

これは、あなたの舌と常識を揺さぶる、20の食体験の記録です。

 

【第一章】エジプトの食卓の主役たち:まずはこれを食らうべし

まずは、現地で愛される定番料理から。これを知らずして、エジプトは語れません。

 

コシャリ:炭水化物の狂宴

エジプトで最もポピュラーなソウルフード。

 

その正体は、ご飯、パスタ、マカロニを混ぜ合わせ、上にひよこ豆とレンズ豆、揚げ玉ねぎを乗せ、トマトソースをかけたもの。

 

味のついていない炭水化物の塊に、酸っぱいサワーソースと辛いホットソースをかけて、ひたすら混ぜて食べます。

 

正直、味は見たまんま。

 

一度食べれば十分、というのがわたしの感想です。

 

しかし、その最大の魅力は一杯60円という衝撃の安さ。

 

話のタネに、ぜひ挑戦を。

 

ターメイヤ:そら豆の絶品コロッケ

じゃがいもの代わりに、そら豆を使ったコロッケ。

 

これを「アエーシ」と呼ばれる薄いパンに挟んで食べるサンドイッチは、文句なしに絶品です!

 

駐在中に訪れた妻も大絶賛し、今でも友人にエジプトの話をする時は、必ずこのターメイヤサンドの話をしています。

 

家庭で作るのは非常に手間がかかるため、現地では揚げる前のペースト状のものが売られています。

 

モロヘイヤ:伝説の「王様の野菜」

古代エジプトの王が、難病の際に食べて治ったという伝説から「王様の野菜」と呼ばれるモロヘイヤ。

 

現地では、細かく刻んでニンニクや鶏肉(またはウサギ肉)と煮込んだスープをご飯にかけて食べるのが一般的です。

 

鶏肉の出汁が染み込んだスープは、滋味深く、日本人にも親しみやすい味。

 

数あるエジプト料理の中でも、素直に「美味しい」と思える一品です。

 

エジプト米:安くて美味い、隠れた実力者

エジプトではパン食が主流ですが、お米も食べられています。

 

日本と同じ短粒種もあり、水を少し多め(1.2〜1.5倍)に炊けば、日本のものと遜色ないほど美味しく炊き上がります。

 

しかも、値段は1kgあたり200円ほどと格安。

 

わたしも途中からは、日本から持参するのをやめ、現地のお米を愛用していました。

 

【第二章】食の冒険!勇気を出して試したい逸品

次に、日本ではなかなか出会えない、少し変わったご馳走たち。

 

ハト料理:最高のおもてなし料理

平和の象徴であるハトを、エジプトでは食べます。

 

しかも、鶏肉より高価な高級食材で、お客様をもてなす特別な料理という位置づけ。

 

お腹にスパイスで味付けしたご飯を詰めて丸焼きにしたハトは、臭みもなく美味。

 

ただし、魚のように小骨が非常に多く、きれいに食べるのは至難の業です。

 

デーツ:中東のスーパーフード

ナツメヤシの実であるデーツ。

 

栄養価が非常に高く、現地ではお茶うけの定番です。

 

わたしのおすすめの食べ方は、種を抜いたデーツにクリームチーズを挟むこと。

 

甘じょっぱさが絶妙で、ワインのお供に最高です。

 

国産ワインとビール:イスラム圏の酒事情

イスラム圏ですが、お酒も存在します。

 

スーパーではなく専門の酒屋で購入可能。

 

「サッカラ」と「ステラ」という2大国産ビールは、ぜひ飲み比べてみてください。

 

どちらも薄めの味ですが、灼熱の地で飲む一杯は格別です。

 

マンゴー:日本のそれを超える、冬の宝石

エジプトで唯一、日本の果物を超えるかもしれないと思ったのがマンゴーです。

 

11月〜12月の短い期間しか出回りませんが、その味は驚くほど濃厚で甘い。

 

しかも一個200円ほどと激安。

 

あまりの美味しさに、日本へ密輸しようとして税関で没収された駐在員もいるほどです。

 

【第三章】日常に潜む、甘くて奇妙な食文化

現地の人の日常に触れると、日本人の常識が覆されます。

 

紅茶には砂糖スプーン3杯が常識

カフェやオフィスで何も言わずに紅茶を頼むと、角砂糖3個分が入った“激甘”紅茶が出てきます。

 

彼らのほとんどが超甘党なのです。

 

甘さ控えめが良い方は、必ず「ソッカ・アリル(砂糖は少なめで)」と伝えましょう。

 

コーヒーと頼むと「トルココーヒー」が出てくる

日本で飲むようなコーヒーが飲みたい時は、「ネスカフェ!」と注文するのがエジプトの常識。

 

単に「コーヒー」と頼むと、粉を煮出して上澄みだけを飲む、エスプレッソのように濃厚なトルココーヒーが出てきて、面食らうことになります。

 

サンドイッチは丸く、ピザは四角い

サンドイッチといえば三角形、ピザといえば円形。

 

その常識は、エジプトでは通用しません。

 

サンドイッチはクレープのように薄いパンで具を巻いたものが主流。

 

ピザ(ファティール)は四角いパイのような形状で、ハチミツなどをかけた甘いデザート系が多いです。

 

【第四章】要注意!旅行者が知るべき食の「罠」

楽しい食の冒険には、危険も伴います。これだけは、絶対に気をつけて。

 

生卵・半熟卵は絶対NG!打率は9割超え

海外の卵は、生で食べるとサルモネラ菌に当たる確率が非常に高いです。

 

わたしも一度、インスタントラーメンに落とした半熟卵でひどい目に遭いました。

 

ホテルの朝食のオムレツも、必ず「ウェルダン(よく焼いて)」と伝えましょう。

 

みかんの種が、ありえないほど多い

エジプトのみかんは、一房に2〜3個の種が入っているのが普通。

 

みかんを食べているのか、種を食べているのか分からなくなるほどです。

 

日本の種なしみかんは、世界に誇るべき奇跡の発明だと、心から感謝することになります。

 

ウーバーイーツのクオリティは最低

エジプトは出前文化が発達していますが、その品質は最悪です。

 

汁物はこぼれ、容器はへこみ、中身はぐちゃぐちゃ。

 

これが日常茶飯事。

 

オーダーミスが少ないことだけが、唯一の救いです。

 

【まとめ】

エジプトの食文化は、一言で言えば「カオス」です。

 

驚くほど美味しくないものもあれば、感動するほど美味しいものも隠されている。

 

大切なのは、好奇心を忘れず、でも最低限の注意は怠らないこと。

 

この記事を「食の羅針盤」として、ぜひあなただけの、忘れられない一皿を見つけてきてください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Have a lovely evening!!

 

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