論説:大規模風力発電は火災リスク低減の対策が必要

Op-ed

Opposite the editorial page / opposite editorialの略。新聞記事のうち通常、当該紙の編集委員会の支配下にない外部の人物が、ある新聞記事に対して同じ新聞内で意見や見解(反論や異論)を述べる欄。

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今日の記事はFiretrace 風力発電設備部門の世界営業マネージャーAngela Krcmar氏のコメントを紹介します。

 

Firetraceとは

火災報知器や消化器、消火設備を製造・販売する多国籍企業。

 

アメリカの風力発電分野は新しい風力とソーラー発電を増やすことで2035年までにエネルギー市場の完全脱炭素化に向けて2兆ドルを投資、支援することを約束したバイデン大統領の勝利で急加速をする用意が整っています。

 

しかし、政府の支援が増えると検査のサポートも増えます。

 

なので、風力発電分野も他の一般的な発電方式と同じく、火災対策を含む追加の環境規制を考慮しなければなりません。

 

 

火災リスクをコントロールする予防措置を実施することは、世論や新しい内閣の風力発電に対する今の良い評判を守ることができる、とFiretraceは強調している。

 

たとえば、アメリカにあるすべての発電所は、運転中の確実な安全を保証するため全米防火協会の規定を必ず守らなければなりません。

 

石炭、ガス、原子力発電所では、現場で働く作業員の安全を確保するため施設内を十分にカバーする火災報知器と消火設備の設置が求められています。

 

全米防火協会(NFPA)

アメリカ合衆国を拠点とした防火に関する国際的な非営利組織。

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その規定は現在、風力発電所は対象外になっています。

 

1つの理由として、2000年代中頃にかけて小規模の風力発電所からより大きな施設へシフトしていることが上げられます。

 

風力発電所向けの火災対策NFPA 850が設けられてはいます。

 

しかし、現時点で火災報知器と消火設備の設置義務はなく、努力義務に留まっています。

 

一方で、風力発電所への消火設備が、火災時に現場や周辺環境を守ることを理解する自治体や政府が増えてきています。

 

たとえば、ニューハンプシャー州では、風力発電所が州の消防法に準拠しているかどうかをめぐって、現地の消防と電力会社の間で法的な争いが行われました。最終的に、消火設備は追加で取り付けられることで争いは解決しました。

 

アメリカの外へ目を向けると、たくさんの注目を集める風力発電所での火災を受けて、ドイツやカナダのオンタリオ州の新しいプロジェクトでは消火設備の設置を義務付けています。とくに、オンタリオ州では既設の発電所に対しても消火設備の追加設置を義務付けました。

 

Firetraceによると、ここ1ヶ月に公表された風力発電所での火災件数を見ると、アメリカ全土で消火設備に対する認識が向上いていくのは時間の問題である、としています。

 

風力発電業界は消火や防火に対して適切な事前対策をとることが不可欠になってきます。

 

火災へのリスクを前向きにコントロールすることは、所有する電力会社や現場で働く作業員が今後の規制に対応できるだけではありません。

 

電力会社の株を保有する資本家や電力会社を取り巻く環境にいる人々との関係を良好にします。防火対策をより強固にすることは、そこで働くすべての人々を守るだけでなく、安全や環境対策に対する風力発電部門の評判を守ることにもつながります。

 

参考記事

Op-ed: Utility-scale wind power needs to rise to fire risk mitigation challenge