Siemens Gamesaは風力発電だけを使ってグリーン水素を生成する世界で初めての設備を設置することを発表しました。
同社は二酸化炭素の排出が多い産業の低炭素化に向けての道を歩み始めました。
これは、2020年代中盤から本格化するグリーン水素生成に向けての戦略の1歩となります。
グリーン水素はエネルギーシステムのクリーンな転換にとって重要な機会となります。
なぜなら、グリーン水素はどこでも生成することができ、低炭素化が難しい航空や海運業界だけでなく、鉄鋼業や化学業界の重工業でも活躍できます。
水素は国および企業レベルで二酸化炭素の排出量を削減することができます。
さまざまな産業からみた長期的な予測では、これからの10年で水素は輸送や重工業業界の低炭素化で指数関数的に需要が増えていく、風力発電の成長の大きな可能性を2050年までに必要とされる再生可能エネルギーの必要量1,000-4,000GWが示しています。
”グリーン水素は、電力供給を低炭素化し気候変動を解決する課題において、流れを変える可能性があります。当社の風力タービンはクリーンエネルギーを市場に供給することで既に大きな貢献をしている。
しかし、水素貯蔵の可能性を使えば、他の産業へも貢献することができる。このプロジェクトはとてもエキサイティングで、当社が業界のリーダーとなれるよう注力している社員に誇りを持っています”、とSiemens Gamesa社長のAndreas Nauenは話しました。
Brande hydrogen pilot project
このプロジェクトは、電力系統に繋げずに風力発電だけを使って電気分解をさせる世界で初めてのパイロットプロジェクトです。
デンマークの西、BrandeにあるSiemens Gamesa本社の近くで行われています。
ここでは400kWの電気分解装置にクリーンエネルギーを送る現地企業のUhre Windpowerが所有するSiemens Gamesa製の風力発電があります。
この電気分解装置は水を水素と酸素に分解、生成した水素は水素自動車に使用するために保管されます。
このプロジェクトはまもなく最終認可を得る予定で、はじめての試験運転を2020年12月、水素生産を2021年1月に開始します。
Siemens GamesaはDanishにある企業Everfuelとの契約を締結しました。
Everfuelはコペンハーゲンなどデンマーク中で使われている水素タクシーへこの施設で作られた完全グリーン水素を提供する企業です。
この水素生産を開始すれば、1つのタービンから毎日約50-70台分の水素タクシーの燃料を生産することができます。
カーボンフリーな水素を、少ない費用での生産、競合性のある風力発電がリアルタイムで供給します。
この施設は、洋上と陸上の両方の風力発電の技術力向上に大きくする兆しになります。
参考記事
Siemens Gamesa tests hydrogen production from wind turbine in ‘island mode’
Siemens Gamesa developing turbine-powered H2 project in Denmark