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【とわの庭】少女の壮絶な半生を描いた一冊
読んでいて物語にのめり込んでしまいました。本を読んでトイレが怖くなったのははじめての体験です(笑)。
以前に読んだライオンのおやつ、針と糸、キラキラ共和国、ツバキ文具店と同じ著者の作品になります。
しかし、今回の作品は、どれにも似つかない壮絶な作品でした。
主人公の女の子は、母との2人暮らし。生まれつき目が不自由で、母の支えがなければ生活がままならない状態から物語はスタートします。
親戚からの援助を受けつつ、母と一緒に暮らしていくものの、途中から生活費を捻出するために母は仕事をするようになります。主人公はその間は、家の中でケガをしないように睡眠薬で強制的に眠らされます。(子供に睡眠薬を投与する時点で話が壮絶です。)
そんなある日、睡眠薬でのお昼寝から目覚めた主人公ですが、母の存在を見つけることができません。今までは目覚めた後、必ず母がいたのですが、その日、母は家に戻ってくることはありませんでした。
待てど暮らせど母は戻らず、目が見えない主人公は家で1人で生活するようになります。それまでほとんど外に出たことがないので、買い物にも行けず、頼りは週1回くる親戚からの物資だけでした。
それもいつしか途絶え、住んでいる家はゴミ屋敷と化します。
そんな状態が数年続いたとき、主人公は外に出ることを決意。靴も持たない主人公は裸足で外へ出たところ、近所の人に助けられる、という数奇な人生を歩まれます。
目が見えない孤独さは計り知れない
その後、主人公はいろいろな人から助けをもらいながら生きていくわけですが、それ以前の生活が私にとってとても衝撃でした。
目が見えないだけでも恐ろしいのに、そんな状況で1人にされてしまう、10歳くらいの時期にそんなことになってしまったら自分だったらどうしていただろうかと、考えずにいられませんでした。
主人公は屋根裏部屋がある家に住んでいたので、家に階段があったわけですが、階段を1人で上ったり降りたりする。食べ物も手触りやにおいだけを頼りに探す。描写にもありましたが、缶詰の食べ物を食べるのはとても苦労されたそうです。
私は、たかだか70m2ほどのマンションの1室に住んでいますが、目が見えないと思うと、生活が成り立ちません。目が見えるからこそトイレにも行けるし、シャワーも浴びれる。それに、こうしてブログを書くことだってできるわけです。
この本を読んだとき、たまたま妻子が家にいなく1人でしたので、物語のあまりのリアルな描写に夜1人でいるのに恐怖を覚えました。
トイレに行くのも、真っ暗にして1人で寝室で寝るのも怖かった、、、
今から振り返ると、死にそうになったことなら何回もあった。でもそんな時でも、わたしは自分から死にたいとは、一回だって思わなかった。そもそも、自分から死を選ぶなんていう選択肢が、わたしにはなかった。
私の人生で死にそうになったことなど1度たりともありません。クルマに引かれたことは2度ありますが、それでも大きなケガはありませんでした。
しかし、死にたいと思ったことはたくさんあります。
・好きな女の子に告白してフラレたとき、
・仕事で大失敗をしたとき、
・副業が成功しないと悩んだとき。
そんな自分を振り返り、正直、恥ずかしくなりました。
こんなことで悩んでいる場合ではないと。もっと過酷な状況でも、しっかり生きている人がいると。
育休期間の最後に読む本がこの本でよかったと心底思っています。
これからサラリーマンとして、理不尽なこともあるし、副業を継続していかなければならないので、より大変な生活が待っています。
それでも、妻子が居て、帰る家があるのはとても幸せなことです。この幸せを忘れず、生活していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Have a lovely evening!!
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