【海外事業部の常識】海外出張中の土日は休み?祝日は?元駐在員が教える「グローバル勤務」のルール

初めての海外出張。パスポート、OK。航空券、OK。
でも、一つ、忘れていませんか?そう、「現地のカレンダー」の確認です。

日本の祝日(ゴールデンウィークなど)と重なったから、休みだろう

週末はもちろん、世界共通で土日だよね?
もし、あなたがそう思っているなら、要注意。
今日は、海外事業部で働くなら絶対に知っておくべき、休日とお金の基本ルールについて、わたしの経験からお話しします。
大原則:「郷に入っては郷に従え」。あなたの休日は、現地のカレンダーで決まる

海外出張中の休日の考え方は、非常にシンプルです。
それは、「現地で働く人々のカレンダーに従う」ということ。
働くカレンダー
- 日本が平日 / 現地が祝日 → あなたは【休み】
- 日本が祝日 / 現地が平日 → あなたは【勤務】
なぜなら、あなたは現地のクライアントや同僚と仕事をするために、そこにいるからです。
彼らが働いているのに、自分だけ「日本の祝日なので休みます」は通用しません。
あなたの仕事のリズムは、完全に現地に同期されるのです。
最大の壁:時差と休日のダブルパンチが生む「連絡ブラックホール」
これが一番やっかいな問題です。
特に、週末の曜日が日本と異なるイスラム圏などでは、日本本社とのコミュニケーションに大きな壁が生まれます。
わたしがいたエジプトを例に挙げましょう。
実は違う週末の休み
- エジプトの週末:金曜日、土曜日
- 日本の週末:土曜日、日曜日
すると、どうなるか?
休日が異なるとこうなる
- 金曜日: エジプトは休みだが、日本は勤務日。
- 土曜日: エジプトも日本も休み。
- 日曜日: エジプトは勤務日だが、日本は休み。
つまり、金曜から日曜までの3日間、お互いがリアルタイムで連絡を取れる時間がほぼ消滅するのです。
メールを投げっぱなしの状態が続き、スピーディーな意思決定が求められる場面では、非常に大きなストレスになります。
給与と休暇のルール:出張は「旅行」ではない

給与は日本のカレンダー、休日は現地のカレンダー
少しややこしいですが、あなたの給与計算の基準日は、あくまで日本の本社と同じです。
日本の祝日に働いたからといって、休日出勤手当がつくわけではありません(もちろん、現地の休日に働けば、それは休日出勤になります)。
原則、出張中に「有給休暇」は使えない
「せっかくだから、1日有給を取って観光したい」と思う気持ちはわかります。
しかし、原則として、体調不良による傷病休暇などを除き、出張中に個人の都合で有給休暇を取得することはできません。
会社は、あなたに「現地で仕事をしてもらう」ために、高いコストをかけて出張を命じています。
それは、あなたの個人的な旅行ではない、ということを肝に銘じておきましょう。
【まとめ】

海外出張中のルールは、まとめるとこうなります。
まとめ
- 勤務日・休日は、現地のカレンダーに100%従う。
- 給与は日本のカレンダーが基準。休暇は原則使えない。
週5日で働き、週末は2日休む。このペースは変わりません。
しかし、異なる文化とリズムの中で、体調を崩さず、常に最高のパフォーマンスを出すためには、強靭な体力が求められます。
海外事業部の仕事は、語学力や交渉力だけでなく、**環境適応能力という名の「タフさ」**が、何よりも重要なのです。
まずは、日々の生活から、体力をつける習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
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